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遺言書の失敗事例

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2025年11月6日

1 遺言書の作成に強い専門家に依頼しなかったケース

遺言書の作成を専門家に依頼したとしても、何らかの不備があり、遺言書全体が無効になってしまう場合や、内容の一部が無効となり、相続人間でトラブルになる場合があります。

実際、専門家が作成に携わった公正証書遺言について、作成方法に不備があり遺言書全体が無効になってしまったケースや、内容に不備があり、遺言書の効果が一部無効になってしまったケースがあります。

こういった事態が起こる原因として、依頼された専門家が遺言書の作成に詳しくなかったことが挙げられます。

専門家の中には、遺言書の作成にあまり詳しくないがゆえに、作成者の希望に適した提案を行ってくれず、テンプレートどおりにしか作成してくれない場合もあります。

このように遺言書の作成に詳しくない専門家に依頼してしまうと、遺言書自体が無効になったり、相続開始後に相続人間でトラブルが起きたりするかもしれないという事例です。

2 一部の遺産だけが記載された遺言

一部の遺産だけが記載された遺言書は、基本的に書いてはいけません。

理由としては、相続人間で揉める原因になりやすいためです。

具体的には、一部の遺産だけが書かれた遺言書がある場合、その遺産をもらった人は、遺言書に書かれていない他の遺産について、取り分が少なくなってしまう可能性があります。

例えば、遺言作成者が父、相続人が長男と長女の家族で、父の財産が5000万円の自宅と5000万円の預貯金のみのケースで考えてみます。

父の希望は、長男に5000万円の自宅を渡し、預貯金は、長男と長女で2500万円ずつ分けてほしいと考えていたとします。

ところが、遺言書には自宅を長男に渡す旨の記載だけがあり、預貯金について書かれていなければ、自宅は長男に相続されますが、残った5000万円の預貯金は、全て長女が取得することになる可能性があります。

こうなってしまっては、父の希望が叶えられないだけでなく、長男と長女の間で揉める原因にもなります。

なお、専門家の中にも、この点をあまり意識していない方がおり、実際、一部の財産しか記載がなく、裁判になった事例もありますので、遺言書の作成を依頼されるときは注意が必要です。

3 予備的条項の記載のない遺言

遺産を相続される方が、遺言書作成者より先に亡くなっていた場合、何も対策をとっていないと、遺言書の効果が一部無効になることがあります。

さきほどの父、長男、長女の家族で、長男に子がいた場合、父が遺言書を作成し、長男に全財産を渡すという遺言書を書いていたとします。

しかし、長男が父より先に亡くなっていた場合、その遺言書の効果は無効になります。

そうなってしまっては、長男の子と長女で遺産の分け方を決めなければならず、その際に揉める可能性もあります。

そこで、遺言書にはあらかじめ、「長男が父より先か、同時に亡くなった場合、長男に相続させるとした財産を長男の子(孫)に相続させる」と記載しておけば、遺言書が無効になるリスクをなくすことができます。

この遺言書の内容を予備的条項と呼ぶことがあります。

なお、専門家の中には、この予備的条項について記載されない方もおり、それが原因で裁判になっている事例もあります。

4 遺言書の作成に強い専門家をお選びください

このように、遺言書の作成においては、専門家であっても、遺言書に詳しくない方に依頼してしまうと、のちのち遺言書が無効になったり、相続人間でトラブルになったりする可能性があります。

そのため、遺言書の作成に強い専門家にご依頼されることをおすすめします。

遺言書に強いかどうかについては、その専門家が相続に注力しているか、幅広い分野に対応できるか(例えば、専門家同士が連携しているなど多方面からサポートしてくれるか)、相続に関する裁判の知識が豊富かどうか等で、ある程度判断することができます。

遺言書の作成で失敗しないためにも、専門家に依頼される際は、「遺言書に詳しいか」で、専門家を探されることをおすすめします。

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