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生活保護を受けている方の相続放棄

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年4月6日

1 原則、相続放棄はできない

原則、生活保護を受けている方(生活保護受給者)の場合、相続放棄はできないと考えられています。

相続放棄をしてしまうと、生活保護が打ち切られてしまう可能性があります。

そもそも、法律上、生活保護の受給要件として「生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提」というものがあります。

参考リンク:厚生労働省 生活保護制度

この要件からすると、遺産という利用できるものがあるにも関わらず、故意に遺産を利用せず、それを放棄してしまうということは、この要件に反する可能性があるためです。

一方で、相続放棄をすると、必ず生活保護が打ち切りになるわけではありません。

生活保護を受けており、相続放棄を検討されている方は、すぐにケースワーカーや弁護士にご相談された方が良いでしょう。

以降で、生活保護受給者が、相続放棄ができるケースについてもご説明していきます。

2 相続放棄ができるケース

上記のように、原則、生活保護受給者は、相続放棄をすることができないと考えられています。

もっとも、以下のようなケースであれば、相続放棄をしても生活保護の打ち切りにはならず、問題ないと考えられています。

⑴ 遺産の中で借金が多いケース

遺産に借金が多い場合、相続放棄をしないと、借金も負うことになりますので、相続放棄をすることが可能です。

注意点として、相続放棄は3か月の期間制限があるため、そもそも借金があるかどうかを調べるために調査が必要な場合は、なるべく早めに調査を行い、必要に応じて相続放棄の期間の伸長のお手続きをした方が良いでしょう。

相続放棄の期限について、詳しくはこちらもご覧ください。

⑵ 処分が困難な不動産などがあるケース

山林や田畑などで処分が困難な不動産がある場合も、相続放棄が可能な場合があります。

なぜなら、山林や田畑など処分が困難な不動産の場合、それを活用したり、換価したりすることも難しく、かえって維持費がかかる可能性があるためです。

固定資産税といった税金の通知で田畑の存在を初めて知るケースもありますので、被相続人の郵便物等に注意を払うと早くに気づき、お手続きを迅速に進めることができます。

3 相続放棄をすべきか迷われたらまずは相談を

このように、生活保護受給者の場合、相続放棄をすると問題になる場合もあれば、相続放棄をした方が良い場合もあります。

一方で、相続放棄をせずにいた場合、被相続人にまとまった資産がありますと、その時点で一定の財産を有する状態となり、生活保護の不支給事由に該当し、生活保護が打ち切られる場合があります。

さらに、繰り返しとなりますが、相続放棄には期限がありますので、相続放棄をすべきかどうか悩まれた方は、できるだけお早めにご担当のケースワ―カーや専門家にご相談されることをおすすめします。

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