相続とエンディングノートについてのQ&A
エンディングノートを作成すれば、相続対策として十分ですか?
「終活として、エンディングノートを作成しましょう」ということがよく言われ、簡単に書けることから、作成している方も多いかと思います。
しかし、注意しなければならないのは、「エンディングノートさえ書いていれば、相続対策として十分」というのは間違いだということです。
なぜなら、通常のエンディングノートは、法的には遺言書としての効力はなく、それだけでは相続対策として十分だとはいえないからです。
遺言書は、法律によってその形式が厳格に定められていますので、その形式どおりに作成しないと法的な効力はありませんし、遺言によって行える行為も決められていますので、それ以外の内容を書いたとしても遺言としての効力はありません。
そのため、エンディングノートで、どの財産を誰にという記載がされていたとしても、それは法的には効力がない可能性が高いものですし、かえって、そのような記載があることが、相続でのトラブルの種になるおそれすらあります。
つまり、十分な相続対策をするためには、エンディングノートを作成するだけでなく、法的に効力のある遺言書を作成する必要があるのです。
エンディングノートを作成することは、相続対策として意味がないのですか?
エンディングノートを作成することが、まったく相続対策にならないというわけではありません。
例えば、遺言書には必ずしも遺言者のすべての財産を具体的に記載しなければならないわけではありませんので、遺言書の記載だけではどのような相続財産があるかが明らかにはならない可能性があります。
そうすると、相続人はどのような財産があるのかを調査しなければなりませんし、相続税の申告をする必要がある場合には、亡くなってから10か月以内にすべての財産の内容を明らかにする必要があります。
相続財産の調査に慣れていなければ、どのようにして調査するのかも分かりませんし、専門家に相続財産の調査を依頼しても、相続財産のすべてが明らかにならないおそれもあります。
そのような場合に備えて、エンディングノートにご自分の財産の内容を記載しておけば、相続財産を漏れのないように引き継ぐことができますし、その他の相続手続きもスムーズに進めてもらうことができます。
その他にも、自らの葬儀の方法についての希望や、亡くなったことを伝えてほしい人の住所や氏名を記載しておくこと、遺された家族や親族へのメッセージなどは、法律上の効果とは関係なく、ご自身にとって意味のあることかと思います。
そのような目的でエンディングノートを作成しておくことは、非常に意味があるといえます。
どのようなエンディングノートを作成しておけば相続対策となるのかについてお悩みであれば、お気軽に私たちへご相談ください。
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