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相続手続きで注意すべき期限

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年7月25日

1 相続手続きには期限がある

人が亡くなると、お葬式や四十九日で忙しくなりますが、法的な期限のある相続の手続きもあるため、注意が必要です

この期限を知らないと、多くの借金を相続することになったり、相続税を余分に支払わなければならなくなったりするなどの不利益を被ってしまうかもしれません。

そのため、相続に関係する期限はしっかりと理解しておく必要があります。

2 相続放棄・限定承認の期限

⑴ 相続放棄

相続放棄は、亡くなった方のプラスの財産もマイナスの財産も一切受け継がない場合に利用する制度です。

たとえば、亡くなった方が多額の借金を抱えている場合は、相続放棄をすれば借金を相続しなくても済みます。

⑵ 限定承認

限定承認とは、相続はするものの、債務は相続財産の限度でのみ相続するという制度です。

たとえば、亡くなった方が100万円の預金と300万円の借金を残した場合、単純に相続をすると100万円の預金と300万円の借金を相続することになりますが、限定承認をすればプラスの財産の100万円の範囲でのみ借金を弁済すればいいということになります。

⑶ 両制度の期限は3か月

相続放棄と限定承認の期限は、相続があったことを知った時から3か月と定められています

つまり、原則として、家族が亡くなったことを知ってから3か月間が経過すると、亡くなった方の遺産を無制限に相続することになり、思わぬ借金を背負う可能性があります。

この期限は伸ばしてもらうこともできますが、別途、そのための手続きを期限内にすることが必要です。

ただし、亡くなってから3か月が経過しても、相続放棄や限定承認が認められる場合もあるので、亡くなった方の財産をよく把握しておらず、あとで借金の方が多かったことが判明したなど場合は、相続に詳しい弁護士にご相談ください。

3 遺留分侵害額請求

⑴ 遺留分の説明

遺留分とは、相続人に一定の割合の遺産を保持させることを保障する制度です。

たとえば、 Aさんが遺言書で長男のBさんにすべての遺産を相続させるという遺言を書いた場合、長女のCさんは一定の割合で遺産を渡すようBさんに請求できる可能性があります。

この遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子、直系尊属)に認められています。

⑵ 遺留分は1年または10年が期限

請求する人が相続の開始と遺留分の侵害を知った時から1年間、または、相続開始から10年間が経過すると、遺留分は請求できなくなります

そのため、一周忌に集まった際に話し合えばいいなどと考えていると、遺留分が請求できなくなるおそれがあります。

もっとも、亡くなってから1年が経過した場合でも遺留分を請求できることがあるので、相続に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

4 税金の手続き

⑴ 準確定申告

準確定申告は、亡くなった方の所得税の手続きです。

所得税は毎年1月1日から12月31日までの一年間に生じた所得に課される税金で、確定申告が必要な場合があるものです。

亡くなった方の所得税については、1月1日から死亡した日までを基準に計算され、相続人が期中の所得についての確定申告をすることになります。

この確定申告を準確定申告といいます。

⑵ 準確定申告の期限は4か月

準確定申告の期限は、相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。

この期限に間に合わない場合は、延滞税などのペナルティが発生するため注意が必要です。

⑶ 相続税申告

相続税とは、亡くなった人の財産を取得したときに発生する税金です

一定以上の財産を取得した場合は、相続税についての申告を行い、相続税を支払う義務があります。

⑷ 相続税の申告期限は10か月

相続税の申告期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税などのペナルティがあります。

⑸ 相続税申告は特例制度が多数ある

相続税については、相続税を下げるための特例が多数あります

たとえば、不動産は高価な財産のため相続税が発生しやすい財産ですが、特例を使えば相続税を下げることが可能な場合があります。

配偶者が相続人の場合にも、相続税を安くすることができる特例もあります。

これらの特例の中には、期限内に行われた相続税の申告手続きの中で「特例を使います」ということを申告しなければ利用できないものがあります

そのため、相続税に詳しい税理士に相続税申告を依頼し、確実に期限内に申告をされることをおすすめします。

5 相続に関するご相談

このように相続には守るべき期限が多くあるため、これらに迅速かつ適切に対応するためには、幅広い相続手続きや税金関係の知識が求められます。

そのため、相続の相談をする場合は、相続法はもちろん、税金にも精通した専門家に相談する必要があります

私たちは、相続事件を集中的に取り扱う弁護士が中心となって相続チームを組んだうえ、税理士法人心の税理士と協力して、相続でお悩みの皆様のご相談にあたっています。

名古屋駅太閤通南口2分というアクセスしやすい場所に事務所を設けておりますので、相続でお悩みの方は一度ご相談ください。

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